1.
論文(リポジトリ) |
八木, 亮磨 ; 亀山, 仁史 ; 阿部, 馨 ; 山田, 沙季 ; 細井, 愛 ; 田島, 陽介 ; 中野, 麻恵 ; 中野, 雅人 ; 島田, 能史 ; 若井, 俊文 ; 長谷川, 剛
概要:
症例は71歳男性. 主訴は特になし. 検診で便潜血陽性を指摘され精査を施行, 肝両葉に計7個の多発肝転移を伴う進行S状結腸癌と診断された. 原発巣切除(pT3N1M1 (H2) pStage IV)を施行した後, Capecitabine+
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Oxaliplatin+Bevacizumabによる全身化学療法を計6コース施行した. 有害事象は特に認めず, Response Evaluation Criteria in Solid Tumors v1.1判定では縮小率は38.7%でありPartial Responseであった. 肝転移に対して切除可能と判断し, 肝外側区域切除+6か所の肝部分切除を行い, 治癒切除となった. 切除標本の病理組織結果では5病変に腺癌が認められ, S状結腸癌肝転移と診断された. 残りの2病変には残存腫瘍を認めなかった. 組織学的効果判定はGrade 2であった. 術後にUFT/UZELによる化学療法を6か月間行った. 肝切除から1年6か月後, 肝S5に孤立性の肝転移を認めたため, 肝S5の部分切除術を施行した. その後はUFT/UZELを継続し, 外来通院中である. 現在, 初回手術から5年6か月, 無再発生存中である. 切除不能・困難な肝転移を有する大腸癌に対して, Capecitabine+Oxaliplatin+Bevacizumabを用いた全身化学療法は有用である.
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2.
学位論文(リポジトリ) |
中野, 麻恵
概要:
【緒言】近年,本邦における潰瘍性大腸炎の患者数は増加傾向である.それに伴い潰瘍性大腸炎の長期経過例も増加し,潰瘍性大腸炎の慢性炎症粘膜を発生母地とする大腸癌,およびその前癌病変と考えられるdysplasiaが増加している.そのため,これらの
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病変を発見するためのサーベイランスプログラムを確立することが重要と考えられている.しかし,過去の研究では,潰瘍性大腸炎患者に対してサーベイランスを行うこと自体の臨床的意義については十分に検討されてこなかった.本研究の目的は,サーベイランスが潰瘍性大腸炎に合併する大腸腫瘍を早期に発見することおよび予後改善に寄与するかを明らかにすることである.【方法】1991年1月から2012年12月の間に新潟大学医歯学総合病院で手術を施行され,術後の病理診断で潰瘍性大腸炎に合併した大腸癌もしくはdysplasiaと診断された18例を対象とした.本研究では,潰瘍性大腸炎に合併する大腸腫瘍を発見するためのサーベイランスを,“潰瘍性大腸炎の診断から7年以上経過した全大腸炎型もしくは左側大腸炎型症例に対して,大腸癌のスクリーニングを意図して施行した内視鏡検査”と定義した.そして,サーベイランスの生検で組織学的に癌あるいはdysplasiaが証明され,手術が施行された症例をサーベイランス群とし,サーベイランス群と非サーベイランス群における臨床病理学的特徴および術後成績を統計学的に比較検討した.【結果】対象18例中,サーベイランス群は13例(72%),非サーベイランス群は5例(28%)であった.サーベイランス群は非サーベイランス群と比較して,リンパ節転移の頻度が有意に低く(8% vs 60%;P = 0.044),Stage 0,Iの頻度が有意に高かった(85% vs 20%;P = 0.022).また,サーベイランス群は13例全例が生存しているのに対し,非サーベイランス群では5例中2例が大腸癌死していた.術後の累積5年生存率は,サーベイランス群が100%,非サーベイランス群が50%であった(P = 0.018).【結論】サーベイランスを行うことにより,潰瘍性大腸炎に合併する大腸腫瘍が早期に発見され,潰瘍性大腸炎患者の予後が改善する.<br />学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第3852号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第592号. 学位授与年月日: 平成26年3月24日<br />新大院博(医)甲第592号
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