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小林, 正明
出版情報: 新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌.  126  pp.443-447,  2012-09.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/35353
概要: We have described the surface glandular structure and microvessels in differentiated early gastric cancer observed by narrow-band imaging with magnifying endoscopy (NBI-ME), such as papillary or granular structure in an intralobular loop pattern or pit structure in fine network pattern. However, it was uncertain why the NBI-ME findings of differentiated-type carcinomas are divided into two main patterns. We investigated the significance of the mucin phenotype in the morphogenetic difference, and suggested mucin phenotype of differentiated early gastric cancer might involve morphogenic differences between papillary and pit structures visualized by NBI-ME. Moreover, we analyzed 541 early gastric cancers from patients who underwent endoscopic submucosal dissection (ESD) after detailed observation by NBI-ME. By conventional endoscopy, it was difficult to make a correct determination of IIb spreading of differentiated-type adenocarcinomas with gastric mucin phenotype. The findings of NBI-ME were loop-form microvessels in each small granular structure. The margin of these lesions could be visualized by the microvascular and fine glandular architecture different from those of the surround non-neoplastic mucosa. 続きを見る
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渡邉, 佳緒里
出版情報: 新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌.  131  pp.290-302,  2017-05.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/49548
概要: 【背景】UCの非腫瘍大腸粘膜や大腸癌, 前癌病変であるdysplasiaでは, 胃型粘液(腺窩上皮型と幽門腺型)の発現があり, 慢性持続性炎症により胃型細胞へ分化形質変化を来した大腸粘膜が癌の発生母地である可能性が示唆されている. 本研究で は, 大腸癌を合併するUC(担癌UC)と合併しないUC(非担癌UC)の非腫瘍大腸粘膜を対象として, それらの胃型粘液発現を免疫組織学的に検索し, UC大腸上皮の胃型細胞への粘液形質変化やそのパターンが, 大腸癌発生の高リスク群を予測するためのマーカーとなりうるかどうか, について検討した. 【対象と方法】担癌UC群14例, 非担癌UC群104例, 炎症性腸疾患を合併しない大腸癌の非癌部大腸(非IBD群)38例の非腫瘍粘膜を対象として, MUC2(腸杯細胞粘液マーカー), MUC5AC・HGM(胃腺窩上皮粘液マーカー), MUC6・M-GGMC-1(胃幽門腺粘液マーカー)に対する免疫染色を行い, 胃型粘液の発現頻度, 同発現細胞の陰窩内分布様式, を検討した. 【結果】腺窩上皮型粘液発現は, 非担癌UC群の90.4%, 担癌UC群の100%に, 幽門腺型粘液発現は, 非担癌UC群の42.3%, 担癌UC群の78.6%に認められた. いずれの発現率も, 非IBD群に比べ有意に高かった(P<0.05). UC罹患年数10年未満の症例では, 腺窩上皮型・幽門腺型いずれの粘液発現率も, 担癌UC群が非担癌UC群に比べ有意に高かった(P<0.05, P<0.01). UC罹患年数10年以上の症例では, 担癌UC群, 非担癌UC群で胃型粘液発現頻度に有意差はなかった. UC群の腺窩上皮型粘液発現細胞は, 胃幽門腺粘膜や非IBD群と同様に陰窩中層~表層にかけて分布するものと陰窩全長にわたって分布するもの(aberrantパターン)とがあった. 幽門腺型粘液を発現する細胞も, 幽門腺粘膜と同様に陰窩中層~底部に分布するものと陰窩のほぼ全長にわたって分布するもの(aberrantパターン)とが認められた. UC罹患年数10年未満の症例では, 胃型粘液を発現する陰窩に占めるaberrantパターンの割合は, 腺窩上皮型で非担癌UC群の18.2%, 担癌UC群の100%, 幽門腺型で非担癌UC群の17.6%, 担癌UC群の80.0%であった. いずれも担癌UC群が非担癌UC群に比べ有意に高かった(P<0.01). UC罹患年数が10年以上の症例で, 胃型粘液を発現する陰窩に占めるaberrantパターンの割合は, 腺窩上皮型で非担癌UC群の23.5%, 担癌UC群の88.9%, 幽門腺型で非担癌UC群の0%, 担癌UC群の33.3%であった. 腺窩上皮型粘液では, 担癌UC群が非担癌UC群に比べ有意に高かった(P<0.01)が, 幽門腺型粘液では両群間に有意差はなかった. 【結論】UC大腸粘膜では, 胃型(腺窩上皮型および幽門腺型)粘液発現細胞への形質転換が起きている. UC罹患年数10年未満の症例では, 胃型粘液の発現および発現細胞が陰窩のほぼ全長にわたって存在するaberrantパターン陰窩の存在が, 罹患年数10年以上の症例では腺窩上皮型粘液発現がaberrantパターンを示す陰窩の存在が, UCの大腸癌発生高リスク群を予測するためのマーカーになりうる可能性があると考えられた. 続きを見る
3.

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佐藤, 聡史
出版情報: 新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌.  131  pp.213-226,  2017-04.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/49531
概要: 胃癌の約1割はEpstein-Barr virus (以下 EBV) が潜伏感染しているEBV関連胃癌である. 本研究では胃癌症例252症例265病変 (早期胃癌189病変, 進行胃癌76病変) をin situ hybridization (以下ISH) で検索し, EBER1陽性20病変 (7.55%) を検出してEBV関連胃癌とEBV非関連胃癌を臨床病理学的に比較し, さらに粘液形質とHepatocyte nuclear factor-4α (以下 HNF4α) の発現を検討した. EBV関連胃癌の年齢 (65.9±8.6歳) はEBV非関連胃癌 (71.0±9.7歳) と有意差はなく, 男女比はEBV関連胃癌 (男17例/女2例) , EBV非関連胃癌 (男159例/女74例) と, EBV関連胃癌は男性により多かった. 発生部位はEBV関連胃癌が上部, 次いで中部に多いのに対し, EBV非関連胃癌では中部に最も多く, 下部, 上部の順であった. 残胃癌はEBV関連胃癌10.0% (2/20) , EBV非関連胃癌3.3% (8/245) と, EBV関連胃癌に多かった. その他, 腫瘍径と深達度, 脈管侵襲は両者に有意差を認めなかった. 組織型を見ると, EBV関連胃癌では中分化管状腺癌 (tub2) , 充実型低分化腺癌 (por1) が多く, EBV非関連胃癌では高分化管状腺癌 (tub1) が多く, 中分化管状腺癌 (tub2) がそれに次いだ. これらの結果はこれまでの報告とほぼ一致した. EBV関連胃癌とEBV非関連胃癌における粘液形質発現タイプを分類すると, EBV関連胃癌ではNull type 5病変 (25.0%) , Gastric type 14病変 (70.0%) , Intestinal type 0病変 (0%) , Mixed type 1病変 (5.0%) であり, Null typeとGastric typeで全体の95.0%を占めた. 一方, EBV非関連胃癌ではNull type 4病変 (8.9%) , Gastric type 18病変 (40.0%) , Intestinal type 11病変 (24.4%) , Mixed type 12病変 (26.7%) であり, EBV関連胃癌ではEBV非関連胃癌に比べてNull type+Gastric typeが有意に多かった. HNF4αのP1およびP2アイソフォーム (以下P1-, P2-HNF4α) の発現をみると, EBV関連胃癌ではP1-HNF4αは20.0%, EBV非関連胃癌では51.1%が陽性で, EBV関連胃癌では有意にP1-HNF4αの発現頻度が低下していた. 一方, P2-HNF4αはEBV関連胃癌, EBV非関連胃癌ともに全例で陽性となった. 以上の成績から, EBV関連胃癌のP1-HNF4αの発現低下がNull typeとGastric typeの粘液形質に関与する可能性が考慮された. EBV関連胃癌ではウィルスは環状DNAであるため, ウィルス粒子の形態を示さない. EBV関連胃癌やEBV潜伏感染胃癌細胞株ではBamHIW, LMP2, EBNA1が恒常的に発現し, EBER1-ISHで核全体が染色されたが, 微小な胃粘膜内癌2病変では核の一部にのみ核小体様のdot状陽性像を呈した. この2病変のPCRではBamHIWとLMP2の発現の低下が見られた. 以上より微小胃粘膜内癌に見られたdot状染色像はEBV潜伏感染の初期像である可能性が示唆された. 続きを見る
4.

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佐藤, 大輔
出版情報: 新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌.  125  pp.122-133,  2011-03.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/29008
概要: 膵管内乳頭粘液性腫瘍 (intraductal papillary-mucinous neoplasm: IPMN) は Gastric type (G type), Intestinal type (I type), Pancreatob iliary type (PB type), Oncocytic type (O type) の4つの組織亜型に分類され, それぞれで粘液形質 (粘液コア蛋白発現様式) が異なるとされている. 本研究では, 外科切除浸潤癌随伴IPMN 24例を対象として, IPMNの組織亜型が, IPMNの組織発生, 生物学的態度 (腫瘍のprogressionや悪性度) のいずれを反映しているかを明らかにすることを目的とした. 24は, 面積的優勢像では G typeが10/24例 (41.6%), I typeが7/24 (29.2%), PB typeが7/24 (29.2%) であったが (O typeは検討症例にはなかった), 21/24例では複数の組織亜型が混在していた. 組織亜型領域別の粘液コア蛋白発現は, G typeでは MUC5AC+/MUC2-/MUC1-が, I typeでは MUC5AC+/MUC2+/MUC1-が, PB typeでは MUC5AC+/MUC2-/MUC1+が最頻で, それぞれ各亜型の35.0%, 40.0%, 47.1%を占めたが, 各組織亜型で粘液コア蛋白発現パターンには多様性と重複があった. 組織亜型の混在パターンでは, G typeを含むものが最も多く (20/21, 95.2%), 更に同型は I type, PB typeに比べ細胞異型の低いものの頻度が高かった (各組織亜型で94.1%, 60.0%, 20.0%). IPMNの組織亜型別の生存率の比較では, PB typeが優勢像を占める浸潤癌随伴IPMNは, G type, I typeに比べ有意に予後不良であった. これらのことから, IPMNの組織亜型はIPMNの生物学的態度の違いを反映しており, IPMNは G typeを初期病変として I type, 更に PB typeにprogressionを来たすこと, PB typeのIPMNに由来する浸潤癌は G type, I typeに由来するものに比べ悪性度が高いことが推定された. 続きを見る
5.

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有賀, 諭生
出版情報: 新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌.  123  pp.346-356,  2009-07.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/28434
概要: 食道噴門腺がパレット粘膜の発生母地になりうるとする考え方の妥当性を検証するため, 逆流性食道炎に伴う食道噴門腺の病理組織形態, 粘液形質, 細胞増殖活性の変化について検討した. 食道亜全摘術が施行された食道扁平上皮癌症例68例の669切片を 検索対象とした. HE染色標本で, 逆流性食道炎の有無, 食道噴門腺の表層露出の有無 (非露出型か露出型か) と大きさを, MUC5AC・MUC6・Ki-67の3重免疫染色で, 粘液形質発現のパターンと細胞増殖活性を, それぞれ検討した. 逆流性食道炎 (-) 例は全て非露出型で, 露出型は逆流性食道炎 (+) 例のみにみられた. 非露出型は, 逆流性食道炎 (-) 例は (+) 例に比べ, 有意に小さく, 細胞増殖活性も低く, MUC6発現が優位であった. 逆流性食道炎 (+) 例では, MUC6とMUC5ACの共発現頻度が高くなり, 露出型に比べ非露出型で増殖活性の亢進と大きさの増大がみられ, 粘液形質の発現パターンもMUC5ACとMUC6のモザイク状混在から上皮内極性 (MUC5ACとMUC6発現領域が, それぞれ上皮中層~表層と同深層に極性化) を示すものの頻度が高くなった. こうした粘液形質発現の上皮内極性を示す露出型食道噴門腺では, 増殖細胞の高密度領域 (増殖帯) 形成もみられた. 露出型食道噴門腺にみられた粘液形質発現のパターンは, パレット粘膜の移行型上皮に類似している. また, 露出型食道噴門腺と, 逆流性食道炎のない非露出型食道噴門腺とは, 組織像, 粘液形質, 細胞増殖活性ともに連続したスペクトラムの組織であることが推定される. これらのことは, 逆流性食道炎の炎症刺激を受けた食道噴門腺が, バレット粘膜の発生母地になりうる ことの妥当性を示していると考えられる. 続きを見る
6.

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学位
河久, 順志
出版情報: 2016-09-20.  新潟大学
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/45091
概要: SSA/P(sessileserratedadenoma/polyp)は鋸歯状管腔構造を特徴とする大腸の上皮性増殖性病変のひとつであり、MSI-H(microsatelliteinstability-high:マイクロサテライト不安定)大腸 癌の前駆病変として位置づけられるようになってきた(serrated neoplasia pathway:SNP)。しかし、SNPはSSA/PとMSI-H大腸癌の分子病理学的プロファイルの類似性からの推定であり、実際のSSA/P癌化例の病理学的側面から裏付けは十分に得られてない。本研究では、外科切除および内視鏡的切除大腸pTis(M)癌 2,613例と粘膜内部癌が残存したpT1(SM)癌 559例を対象として、早期大腸癌に占めるSSA/P由来癌の頻度、臨床病理学的および病理組織学的特徴、粘液形質発現についての総合的解析を行った。SSA/P由来癌はpTis(M)癌の1.2%、pT1 (SM)癌の2.0%を占めたが、右側結腸ではそれぞれ3.2%、4.4%を占めた。SSA/P由来早期大腸癌は表面型の頻度が高く(pTis(M)癌で61.3%、pT1(SM)癌で54.5%)、内視鏡的発見が困難な病変が存在する可能性があり、SSA/P由来癌の割合は過小評価されていることが想定される。右側結腸では、SSA/Pに由来する癌が少なくとも5%以上は占めることが推察された。SSA/P由来大腸癌では、鋸歯状構造、筋状・融合腺管.小型腺管、小型円形核、低異型度癌、粘液癌、脱分化(癌の低分化化)などの7つの特徴的組織所見を示すとされているが、本研究対象の粘膜内癌部では、鋸歯状構造(68.3%)や飾状・融合腺管(61.0%)、低異型度癌(75.6%)の出現頻度が高く、SM浸潤部では飾状・融合腺管(54.6%)は保たれているものの、鋸歯状構造や低異型度癌の頻度は低く、粘液癌(36.4%)や癌の脱分化(低分化化) (25.5%)がみられた。これらのことから、癌の発育進展の観点からは、SSA/Pに由来する大腸癌は、粘膜内では中分化型と超高分化型の両者の性格が共存し、SM浸潤に伴い急激に脱分化し、粘液癌に移行する傾向があることが推定された。また、粘膜内癌部、SM浸潤部ともに70%以上で、上記7つの組織所見の2つ以上が認められた。粘液形質発現では、癌に併存するSSA/Pでは、MUc2(100%)、MUC5AC(100%)、MUC6(83.3%)が高発現していたが、癌化病巣でもそれらの粘液形質プロファイルは保持されており、粘膜内癌部、SM浸潤部ともにMUC2はほぼ全例(90.9%~97.6%)に発現し、MUC5ACも70%以上、MUC6も50%前後以上で発現がみられた。これらSSA/P癌化例の粘液形質プロファイルは粘液癌進行大腸癌のそれと類似しており、SSA/Pに由来する癌は粘液癌進行大腸癌へと進展することが推定された。本研究結果から得られたSSA/P由来癌に特徴的な組織所見と粘液形質発現の観点から、由来不明な粘膜内部脱落pT1(SM)癌、進行癌、そしてpT1(SM)純粋癌の解析を行うことが今後の課題であり、その結果によっては大腸癌に占めるSSA/P由来癌の割合は、本研究結果の5%以上を更に上回る可能性も想定され、大腸癌の組織発生におけるSNPの役割もより明確になるものと考えられた。<br />学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4205号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第704号. 学位授与年月日: 平成28年9月20日<br />新大院博(医)甲第704号 続きを見る
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小川, 洋 ; 若井, 俊文
出版情報: 新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌.  129  pp.59-70,  2015-02.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/44022
概要: 【緒言】膵癌の上皮内癌から浸潤性膵管癌への進行過程において, ムチン免疫組織化学およびCD10を用いた粘液形質の解析を行った報告はほとんどない. 本研究の目的は, 外科切除された浸潤性膵管癌を対象として, 膵癌の進行過程における粘液形質変化 を解明することである. 【方法】上皮内癌部を含む浸潤性膵管癌41例を対象とし, MUC1, MUC2, HGM, MUC5AC, MUC6, M-GGMC-1, CD10, CDX2の免疫組織化学を行い, 上皮内癌部と浸潤癌部における粘液形質を比較し, 癌の進行過程での粘液形質変化を検討した. 【結果】膵癌症例においてMUC1および胃腺窩上皮型のHGM, MUC5ACは, 各々100%, 93%, 81%と高頻度に発現しており, 上皮内癌部では95%, 95%, 81%, 浸潤癌部では98%, 88%, 68%であり, どちらも高頻度に発現していた. 一方, CD10やMUC2は浸潤癌部, 上皮内癌部をとも低頻度であった. M-GGMC-1, MUC6は, 各々18%, 17%に発現し, 上皮内癌部では各々41%, 34%に発現していたのに対し, 浸潤癌部では各々6%, 7%と低頻度であった. 粘液形質により分類すると, 上皮内癌部においては, 胃腺窩上皮幽門腺型(FG型)が20例と最も多く見られ, そのうち14例は浸潤癌部で胃腺窩上皮型(F型)を示した. また, 上皮内癌部において胃腺窩上皮型(F型)は15例に見られ, 浸潤癌部も14例は同じ粘液形質であった. 浸潤癌部では, 胃腺窩上皮腸型(F-I型), 膵胃腺窩上皮型(P-F型)はそれぞれ1例ずつであった. 上皮内癌部, 浸潤癌部ともに純粋な膵型(P型)は認めなかった. 【考察】膵癌の進行過程における粘液形質変化の判定には上皮内癌部と浸潤癌部の正確な診断と, 正しい免疫組織化学の結果判定が重要である. 本研究では, 上皮内癌部と浸潤癌部の区別ためにVictoria blue染色を参考として用いた. また, 粘液の糖鎖付加状態に対する免疫組織化学の反応の違いから, HGMおよびM-GGMC-1に対する抗体を用いた. CD10の発現は上皮内癌部で5例(12.2%), 浸潤癌部で1例(2.4%)と発育進展によって発現頻度が低くなる傾向があったが, 統計学的な有意差は認めなかった. 浸潤性膵癌においては純粋な膵型が存在しないことは, 膵癌の進行過程において細胞分化が低下するという考えに矛盾しないと考えられた. 膵癌の進行過程において, 胃幽門腺型粘液のM-GGMC-1およびMUC6の発現が上皮内癌部から浸潤癌部になるにつれ有意に低下していた. 先行研究においても, このようなMUC6の発現減少は見られ, 癌化過程におけるMUC6発現減衰の原因に興味が持たれる. 【結語】膵癌の進行過程における粘液形質変化の解析から, 膵癌における上皮内癌部の粘液形質は胃腺窩上皮幽門腺型(FG型)あるいは胃幽門腺型(G型)が主体であり, 浸潤癌部では胃腺窩上皮型(F型)に粘液形質変化し, 胃幽門腺型(G型)や膵型(P型), 腸型(I型)の発現頻度は低くなる. 続きを見る
8.

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西倉, 健 ; 渡辺, 英伸 ; 味岡, 洋一 ; 渡辺, 玄
出版情報: 日本内科学会雑誌 = 日本内科学会雑誌.  94  pp.16-24,  2005-01.  日本内科学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/17979
概要: 胃癌のほとんどを占める腺癌は,1)組織学的に分化型腺癌と低分化型腺癌とに分類され,これら組織型と肉眼形態および発育進展様式との間には高い相関性がある.2)また異型度によって低異型度癌と高異型度癌とに分類され,両者間で生物学的悪性度やp53異 常などに差がみられる.3)さらにムチンコア蛋白の同定により,大きく胃型,胃腸混合型,小腸型に形質分類される.従来,腸型形質と考えられてきた分化型腺癌の中にも少なからず胃型形質癌が存在し,腸型形質癌とは異なった組織形態や発育様式および分子生物学的背景を呈する. 続きを見る
9.

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河久, 順志
出版情報: 新潟医学会雑誌 = NIIGATA MEDICAL JOUNAL.  132  pp.293-305,  2018-09.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/00051550
概要: SSA/P (sessile serrated adenoma/polyp)は鋸歯状管腔構造を特徴とする大腸の上皮性増殖性病変のひとつであり, MSI-H(microsatellite instability-high: マイクロサテライト 不安定)大腸癌の前駆病変として位置づけられるようになってきた(serrated neoplasia pathway :SNP ). しかし,SNPはSSA/PとMSI-H大腸癌の分子病理学的プロファイルの類似性からの推定であり,実際のSSA/P癌化例の病理学的側面からの裏付けは十分に得られてない.本研究では,外科切除および内視鏡的切除大腸pTis(M) 癌2,613例と粘膜内病変が残存したpTl(SM)癌559例を対象として,早期大腸癌に占めるSSA/P由来癌の頻度,臨床病理学的および病理組織学的特徴,粘液形質発現についての総合的解析を行った. SSA/P由来癌はpTis(M)癌の1.2%, pTl(SM)癌の2.0%を占めたが,右側結腸ではそれぞれ3.2%, 4.4%を占めた. SSA/P由来早期大腸癌は表面型の頻度が高く(pTis (M)癌で61.3%, pTl(SM)癌で5 4.5%), 内視鏡的発見が困難な病変が存在する可能性があり,SSA/P由来癌の割合は過小評価されていることが想定される.右側結腸では,SSA/Pに由来する癌が少なくとも5%以上は占めることが推察された. SSA/P由来大腸癌では,鋸歯状構造,師状・融合腺管,小型腺管,小型円形核,低異型度癌,粘液癌,脱分化(癌の低分化化)などの7つの特徴的組織所見を示すとされているが,本研究対象の粘膜内癌部では,鋸歯状構造(68.3%)や飾状・融合腺管(61.0%), 低異型度癌(75.6%)の出現頻度が高く,SM浸潤部では師状・融合腺管(5 4.6%)は保たれているものの,鋸閑状構造や低異型度癌の頻度は低く,粘液癌(3 6.4%)や癌の脱分化(低分化化) (25.5%) がみられた.これらのことから,癌の発育進展の観点からは,SSA/Pに由来する大腸癌は,粘膜内では中分化型と超高分化型の両者の性格が共存し,SM 浸潤に伴い急激に脱分化し,粘液癌に移行する傾向があることが推定された.また,粘膜内癌部,SM浸潤部ともに70% 以上で,上記7つの組織所見の2つ以上が認められた.粘液形質発現では,癌に併存するSSA/P では,MUC2 (100%), MUC5AC (100%), MUC6 (83.3%) が高発現していたが,癌化病巣でもそれらの粘液形質プロファイルは保持されており,粘膜内癌部,SM浸潤部ともにMUC2はほぼ全例(90.9% ~ 97.6%) に発現し,MUC5AC も70% 以上,MUC6も50% 前後以上で発現がみられた.これらSSA/P 癌化例の粘液形質プロファイルは粘液癌進行大腸癌のそれと類似しており,SSA/Pに由来する癌は粘液癌進行大腸癌へと進展することが推定された.本研究結果から得られたSSA/P 由来癌に特徴的な組織所見と粘液形質発現の観点から,由来不明な粘膜病変脱落pTl (SM) 癌,進行癌,そしてpTl(SM)純粋癌の解析を行うことが今後の課題であり,その結果によっては大腸癌に占めるSSA/P由来癌の割合は,本研究結果の5%以上を更に上回る可能性も想定され,大腸癌の組織発生におけるSNPの役割もより明確になるものと考えられた. 続きを見る
10.

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Tun, Aye Pa Pa
出版情報: 新潟医学会雑誌.  133  pp.253-265,  2019-06.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/00051862
概要: 外科切除原発性小腸腺癌(以下小腸癌)60症例60病変を対象に,その臨床病理学的特徴と,免疫組織学的検索によるCK7,CK20発現,粘液形質について検討した.小腸癌の発生部位は,十二指腸32例(53.4%),空腸17例(28.3%),回腸11 例(18.3%)であった.臨床病理学的特徴は発生部位による差はなく,小腸癌全体では大腸癌との間にも差はみられず,小腸癌は大腸癌とほぼ同質の生物学的悪性度示す癌と考えられた.CK7の発現は小腸癌全体で45.0%,CK20の発現は61.7%であり,大腸癌全体と比較して有意にCK7発現頻度が高く,CK20発現頻度が低かった.CK7とCK20の発現を組み合わせた発現パターンには多様性があり,大腸癌の大部分を占めるCK7(-)/CK20(+)のパターンは小腸癌全体では41.7%に過ぎず,他のパターンが13.3~25.0%を占めた. こうした小腸癌のCK7,CK20発現パターンの多様性は癌の発生部位に起因する可能性があり,十二指腸癌・空腸癌で回腸癌に比べCK7の発現頻度が高くCK20の発現頻度が低い傾向があった.粘液形質では,小腸癌全体では大腸癌全体に比べ,MUC5AC,MUC6の発現頻度が有意に高く(43.3% vs.16.0%,23.3% vs. 9.3%),MUC2,CD10の発現頻度が有意に低かった(43.3% vs. 61.3%,13.3% vs. 37.3%).粘液形質別の頻度では,小腸癌の30.0%が冑型,16.7%が胃腸混合型,6.7%が小腸型,28.3%が大腸型であった.すなわち,小腸癌では発生母組織である小腸粘膜上皮の細胞系列が維持されているものは極めて少なく(小腸型の6.7%),半数近く(胃型の30.0%と胃腸混合型の16.7%)では胃粘膜上皮細胞への細胞系列転換が起きていることが想定された大腸癌との比較では,小腸癌は大腸癌全体に比べ,胃型の頻度が有意に高く(30.0% vs. 2.7%),小腸型の頻度が有意に低かった(6.7% vs. 32.0%). こうした小腸癌の粘液形質の特徴はCK7,CK20発現と同様に癌の発生部位により異なり,十二指腸癌・空腸癌では回腸癌に比べ胃型の発現頻度が高い傾向があった.これらの免疫組織学的検索から,小腸癌のCK7,CK20発現の多様性や胃型粘液形質発現は十二指腸癌・空腸癌の特徴的所見であり,十二指腸癌・空腸癌は回腸癌とは組織発生や発癌メカニズムが異なる可能性が示唆された. 続きを見る