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1.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
岡村, 拓磨
出版情報: 新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌.  127  pp.490-499,  2013-09.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/36121
概要: 【緒言】大腸粘膜下層浸潤癌(SM癌)における粘膜下層の間質中に存在する癌の小胞巣である簇出はリンパ節転移危険因子であると報告されており, 内視鏡的粘膜切除後の病理診断でSM癌かつ簇出高度陽性と診断された症例では追加切除が推奨されている. 簇 出の検出は, 通常のHE染色では困難なことがあり, 免疫染色の施行により簇出の検出自体は容易になるが, 免疫染色による簇出評価の判定基準は確立されていない. 本研究の目的は, HE染色および免疫染色を用いて判定した簇出個数とリンパ節転移との関連を解析し, 免疫染色における簇出評価の判定基準を立案することである. 【方法】1981年から2008年にリンパ節郭清を伴う外科切除が施行された大腸SM癌310例を対象とした. 病理組織学的リンパ節転移は31例(10%)に認められた. 病変の浸潤最深部を含む連続切片を作製し, HE染色および上皮性サイトケラチンCAM5.2免疫染色を行った. 簇出は, 癌発育先進部の間質中に存在する単個ないしは5個未満の癌胞巣を簇出と定義し, 簇出が最頻出するSM浸潤部を選定し, 20×10倍1視野当たりの簇出個数を算定した. 染色別にROC曲線を作製し, リンパ節転移予測の正確度が最も高い簇出個数の閾値を決定した. 【結果】HE染色, CAM5.2免疫染色を用いて評価した簇出検出個数の平均±標準誤差は, 各々3.5±0.2, 8.4±0.5であり, CAM5.2免疫染色を用いて評価した方が有意に簇出検出個数は増加した(p<0.001). リンパ節転移陰性であった279例におけるHE染色, CAM5.2免疫染色を用いて評価した簇出検出個数は各々3.3±0.2, 8.1±0.5であったのに対し, リンパ節転移陽性であった31例では各々5.7±0.8, 11.6±1.5であり, リンパ節転移の有無別で検討してもCAM5.2免疫染色で検出される簇出個数はHE染色と比較して有意に増加した(各々p<0.001). ROC曲線から簇出高度陽性と判定する族出個数の閾値はHE染色, CAM5.2免疫染色で各々5, 8となり, リンパ節転移予測の正確度は各々73.2%, 59.7%であり, HE染色を用いて評価した簇出判定基準の方がリンパ節転移予測の正確度が高かった. 【結語】リンパ節転移予測の正確度を基盤とした大腸SM癌における簇出評価の判定基準は, HE染色では5個以上, CAM5.2免疫染色では8個以上の簇出検出個数をもって簇出高度陽性と定義できる. ただし, リンパ節転移予測の正確度はHE染色を用いて簇出を検出した方が高い. 続きを見る
2.

学位論文(リポジトリ)

学位
橋本, 喜文
出版情報: pp.1-25,  2018-03-23.  新潟大学
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/50451
概要: 【緒言】間質線維化反応(Desmoplastic reaction:以下DR)とは,間質で線維芽細胞などが増生する状態を指し,癌が浸潤する際に発育先進部において認められる.早期大腸癌において,DRは粘膜下層浸潤の有無を判定する際の指標として 用いられてきた.一方,進行大腸癌においては,発育先進部におけるDRが予後予測因子となるとの報告が散見される.本研究の目的は,進行大腸癌の発育先進部におけるDRの臨床的意義を明らかにすることである.【方法】2006年1月から2011年12月までの間に当科でR0切除されたpT3以深Stage II/III大腸癌のうち,家族性大腸腺腫症および炎症性腸疾患合併症例を除外した173例を対象とした.DRの診断は,病理組織診断時に切除検体から作製された全てのHE標本を観察して行われた.DRは原発巣の壁深達度が漿膜下層以深に及ぶ領域を観察して診断し,細い膠原線維が多層性に形成される成熟型(Mature:以下DR1),癌発育先進部の間質中に好塩基性の太い膠原線維の束からなるケロイド様線維が認められる中間型(Intermediate:以下DR2),やや好酸性の粘液様間質で囲まれたケロイド様線維が不規則に認められる未熟型(Immature:以下DR3)に分類した.そして,DRと臨床病理学的因子との関連について解析し,DRと無再発生存率との関連を検討した.さらに,観察者間の診断の一致度を評価するため,二人の診断医が独立してDRを評価した.診断の一致度は,k統計量を用いて評価した.【結果】対象173例中DR1が87例(50.3%),DR2が65例(37.6%),DR3が21例(12.1%)であった.DR3は,静脈侵襲(P=0.026),リンパ節転移(P=0.003),簇出(P=0.012),および低分化胞巣(P<0.001)との間に統計学的に有意な関連を認めた.無再発生存率の単変量および多変量解析では,DR3がハザード比1.539(95%信頼区間:1.146-2.066)であり,独立した予後不良因子であった(P=0.004).DR診断のk統計量は0.448であり,診断の再現性に関しては中等度の一致であった.【結論】進行大腸癌において,DRはR0切除後の独立した予後不良因子であり,再発高リスク群を抽出する指標になる可能性がある.<br />学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4421号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第820号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日<br />新潟医学会雑誌. 2017. 131(11), 635-643.<br />新大院博(医)甲第820号 続きを見る
3.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
滝沢, 一泰 ; 若井, 俊文
出版情報: 新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌.  128  pp.216-226,  2014-05.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/43734
概要: 【緒言】膵癌は, 罹患数と死亡数がほぼ同数であり難治性消化器癌の代表である. 膵癌の予後予測因子としては組織分化度, リンパ節転移の有無, 癌遺残の有無などの病理学的因子が報告されている. 近年, 大腸癌, 食道癌, 胃癌および乳頭部癌など の消化器癌において, 簇出が腫瘍の浸潤性発育を反映し予後予測因子であることが報告されている. 本研究の目的は, 外科切除された浸潤性膵管癌を対象として, HE染色およびAE1/AE3免疫染色を行い簇出の評価方法を確立することである. また, 簇出を臨床病理学的因子と比較検討し, 高簇出群は術後の転移・再発により術後成績は不良であるという仮説を立て, 簇出の予後予測因子としての臨床的意義を解明することである. 【方法】1990年から2010年に切除された浸潤性膵管癌81例を対象とした. 症例の平均年齢は65.6歳(38-74歳), 性別は男性54例, 女性27例であった. 腫瘍の最大割面を代表切片とし, HE染色, AE1/AE3免疫染色を行った. 簇出の定義は癌発育先進部の間質に認められる5個未満の細胞からなる癌胞巣とした. 各染色別の簇出のカットオフ値は, Cox比例ハザードモデルによるカイ二乗値を基準として決定した. 【結果】簇出検出個数の平均±標準誤差はHE染色で7.8±0.5個であり, AE1/AE3免疫染色で15.3±1.0個であった. 各染色別での簇出カットオフ値は, HE染色では13個以上(X^2=23.123, P<0.001)を高簇出群, AE1/AE3免疫染色では15個以上(X^2=9.236, P=0.002)を高簇出群とした. HE染色, AE1/AE3免疫染色ともに高簇出群はTNM分類でのG3(低分化型)と有意に関連していた(各々, P=0.016, P<0.001). 多変量解析では, TNM分類G3(ハザード比2.062, P=0.011), 顕微鏡的癌遺残(ハザード比2.603, P=0.001)およびHE染色での高簇出(ハザード比5.213, P<0.001)が独立した有意な予後不良因子であった. HE染色で評価された高簇出群の累積2年生存率は0%, 生存期間中央値は11.9か月であり, 低簇出群の累積2年生存率43.1%, 生存期間中央値21.7か月と比較して有意に術後成績は不良であった(P<0.001). 【考察】浸潤性膵管癌において簇出を検討した報告は少なく, 高簇出を定義する統一基準に関する報告はない. 多変量解析の結果では, HE染色での高簇出が最も強い独立した予後不良因子であった. AE1/AE3免疫染色では簇出の検出が容易で多数の簇出が検出されるにもかかわらず, HE染色で診断された簇出高度陽性判定基準のほうが予後因子として有用であった. この原因としては, AE1/AE3免疫染色はすでに生物学的活性を失っている癌細胞も簇出として計測している可能性が考えられた. 【結語】浸潤性膵管癌の簇出診断では, HE染色(簇出カットオフ値13個)の方がAE1/AE3免疫染色(簇出カットオフ値15個)より予後因子として有用である. 続きを見る
4.

学位論文(リポジトリ)

学位
岡村, 拓磨
出版情報: 2013-09-20.  新潟大学
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/24554
概要: 【緒言】大腸粘膜下層浸潤癌(SM癌)における粘膜下層の間質中に存在する癌の小胞巣である簇出はリンパ節転移危険因子であると報告されており, 内視鏡的粘膜切除後の病理診断でSM癌かつ簇出高度陽性と診断された症例では追加切除が推奨されている. 簇 出の検出は, 通常のHE染色では困難なことがあり, 免疫染色の施行により簇出の検出自体は容易になるが, 免疫染色による簇出評価の判定基準は確立されていない. 本研究の目的は, HE染色および免疫染色を用いて判定した簇出個数とリンパ節転移との関連を解析し, 免疫染色における簇出評価の判定基準を立案することである. 【方法】1981年から2008年にリンパ節郭清を伴う外科切除が施行された大腸SM癌310例を対象とした. 病理組織学的リンパ節転移は31例(10%)に認められた. 病変の浸潤最深部を含む連続切片を作製し, HE染色および上皮性サイトケラチンCAM5.2免疫染色を行った. 簇出は, 癌発育先進部の間質中に存在する単個ないしは5個未満の癌胞巣を簇出と定義し, 簇出が最頻出するSM浸潤部を選定し, 20×10倍1視野当たりの簇出個数を算定した. 染色別にROC曲線を作製し, リンパ節転移予測の正確度が最も高い簇出個数の閾値を決定した. 【結果】HE染色, CAM5.2免疫染色を用いて評価した簇出検出個数の平均±標準誤差は, 各々3.5±0.2, 8.4±0.5であり, CAM5.2免疫染色を用いて評価した方が有意に簇出検出個数は増加した(p<0.001). リンパ節転移陰性であった279例におけるHE染色, CAM5.2免疫染色を用いて評価した簇出検出個数は各々3.3±0.2, 8.1±0.5であったのに対し, リンパ節転移陽性であった31例では各々5.7±0.8, 11.6±1.5であり, リンパ節転移の有無別で検討してもCAM5.2免疫染色で検出される簇出個数はHE染色と比較して有意に増加した(各々p<0.001). ROC曲線から簇出高度陽性と判定する族出個数の閾値はHE染色, CAM5.2免疫染色で各々5, 8となり, リンパ節転移予測の正確度は各々73.2%, 59.7%であり, HE染色を用いて評価した簇出判定基準の方がリンパ節転移予測の正確度が高かった. 【結語】リンパ節転移予測の正確度を基盤とした大腸SM癌における簇出評価の判定基準は, HE染色では5個以上, CAM5.2免疫染色では8個以上の簇出検出個数をもって簇出高度陽性と定義できる. ただし, リンパ節転移予測の正確度はHE染色を用いて簇出を検出した方が高い.<br />学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第3809号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第561号. 学位授与年月日: 平成25年9月20日<br />新潟医学会雑誌. 2013, 127(9), 490-499<br />新大院博(医)甲第561号 続きを見る
5.

学位論文(リポジトリ)

学位
滝沢, 一泰
出版情報: 2014-03-24.  新潟大学
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/27361
概要: 【緒言】膵癌は,罹患数と死亡数がほぼ同数であり難治性消化器癌の代表である.膵癌の予後予測因子としては組織分化度,リンパ節転移の有無,癌遺残の有無などの病理学的因子が報告されている.近年,大腸癌,食道癌,胃癌および乳頭部癌などの消化器癌におい て,簇出が腫瘍の浸潤性発育を反映し予後予測因子であることが報告されている.本研究の目的は,外科切除された浸潤性膵管癌を対象として,HE 染色およびAE1/AE3 免疫染色を行い簇出の評価方法を確立することである.また,簇出を臨床病理学的因子と比較検討し,高簇出群は術後の転移・再発により術後成績は不良であるという仮説を立て,簇出の予後予測因子としての臨床的意義を解明することである.【方法】1990 年から2010 年に切除された浸潤性膵管癌81例を対象とした.症例の平均年齢は65.6 歳(38-74 歳),性別は男性54 例,女性27 例であった.腫瘍の最大割面を代表切片とし,HE 染色,AE1/AE3 免疫染色を行った.簇出の定義は癌発育先進部の間質に認められる5 個未満の細胞からなる癌胞巣とした.各染色別の簇出のカットオフ値は,Cox 比例ハザードモデルによるカイ二乗値を基準として決定した.【結果】簇出検出個数の平均±標準誤差はHE 染色で7.8±0.5 個であり,AE1/AE3免疫染色で15.3±1.0 個であった.各染色別での簇出カットオフ値は,HE 染色では13 個以上(χ2=23.123,P < 0.001)を高簇出群,AE1/AE3 免疫染色では15個以上(χ2=9.236,P = 0.002)を高簇出群とした.HE 染色,AE1/AE3 免疫染色ともに高簇出群はTNM 分類でのG3(低分化型)と有意に関連していた(各々,P= 0.016,P < 0.001).多変量解析では,TNM 分類 G3(ハザード比2.062,P = 0.011),顕微鏡的癌遺残(ハザード比2.603,P = 0.001)およびHE 染色での高簇出(ハザード比5.213,P < 0.001)が独立した有意な予後不良因子であった.HE 染色で評価された高簇出群の累積2 年生存率は0%,生存期間中央値は11 か月であり,低簇出群の累積2 年生存率43.1%,生存期間中央値21 か月と比較して有意に術後成績は不良であった(P < 0.001).【考察】浸潤性膵管癌において簇出を検討した報告は少なく,高簇出を定義する統一基準に関する報告はない.多変量解析の結果では, HE 染色での高簇出が最も強い独立した予後不良因子であった.AE1/AE3 免疫染色では簇出の検出が容易で多数の簇出が検出されるにもかかわらず,HE 染色で診断された簇出高度陽性判定基準のほうが予後因子として有用であった.この原因としては,AE1/AE3 免疫染色はすでに生物学的活性を失っている癌細胞も簇出として計測している可能性が考えられた.【結語】浸潤性膵管癌の簇出診断では,HE 染色(簇出カットオフ値13 個)の方がAE1/AE3 免疫染色(簇出カットオフ値15 個)より予後因子として有用である.<br />学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第3851号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第591号. 学位授与年月日: 平成26年3月24日<br />新大院博(医)甲第591号 続きを見る