close
1.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
鈴木, 晋 ; 青野, 高志 ; 佐藤, 友威 ; 岡田, 貴幸 ; 武藤, 一朗 ; 長谷川, 正樹
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  125  pp.41-46,  2011-01.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/28954
概要: 症例は55歳, 男性. 検診異常で近医受診し, CTで腹腔肉腫瘤認められたため, 精査・加療目的に紹介された. CTでは肝門部に4.5cm大の境界明瞭な低吸収域を示す腫瘤を認め, 後期相でまだら状の淡い造影効果を認めた. MRI検査ではT1 強調像にて低信号, T2強調像で高信号の腫瘤として認められた. 以上の所見より, 後腹膜由来の神経原性腫瘍を疑い開腹手術施行した. 腫瘍は4.5cm大で, 黄白色調の充実性の腫瘍であった. 総肝動脈との間に強い癒着を認め, 総肝動脈沿いの神経叢を切離しながら腫瘍を摘出した. 病理結果は良性の神経鞘腫であり, 手術所見とあわせて, 総肝動脈神経叢由来の神経鞘腫と診断した. 総肝動脈または腹腔動脈神経叢より発生した神経鞘腫は非常にまれであり, これまで11例報告されているのみである. 報告例では悪性例はないが, 画像所見のみで良性か悪性かを判断することは困難であり, 診断的治療である外科的切除が推奨される. 続きを見る
2.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
鈴木, 晋 ; 武者, 信行 ; 坪野, 俊広 ; 酒井, 靖夫 ; 石原, 法子 ; 畠山, 勝義
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  121  pp.102-105,  2007-02.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/20440
概要: 症例は21歳,女性.右下腹部痛を主訴に来院.右下腹部に圧痛と反跳痛を認めたため,腹部超音波検査およびCT検査を施行したところ,後腹膜腔に直径5cm大の内部に出血を伴う嚢胞性病変を認めた.腹痛の原因はこの後腹膜腫瘤によるものと診断し,腫瘤摘出 術を施行した.摘出標本の病理組織学的検索で,卵巣型粘液嚢胞腺癌と診断された.両側卵巣は正常であり,その他全身検索でも異常を認めなかったため,後腹膜腔が原発と考えた.後腹膜腔発生の粘液嚢胞腺癌はまれであり,本邦では27例の報告例があるのみである.本疾患の予後は比較的良好とされているが,リンパ節転移や骨転移をきたし死亡した症例も報告されており,慎重な経過観察が必要である. 続きを見る
3.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
小向, 慎太郎 ; 大橋, 泰博 ; 大矢, 洋
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  130  pp.491-495,  2016-08.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/45616
概要: 後腹膜原発孤立性線維腫瘍は極めて稀な疾患であり,臨床で遭遇することは少ない.今回,我々は巨大な後腹膜悪性孤立性線維性腫瘍を経験し,その興味深い進展様式と悪性度の高さを臨床的に経験しえたので文献的考察を加えて報告した.症例は65歳.鼠径部腫瘤 を主訴に来院. 腹部CT検査にて巨大な腹腔内腫瘍を認めた.腫瘍は鼠径管から陰嚢にまで進展していた.腹腔内腫瘍の診断にて手術(腫瘍摘出術)を行った.術中所見から後腹膜腫瘍の鼡径管内進展と診断された.腫瘍の大きさは最大径22cmで重量は1,364gであった.病理診断では細い紡錘形の線維芽細胞様細胞が細胞束を形成し密に贈殖している部分と豊富な粘液様間質部分を有する部分が混在していたため孤立性線維性腫瘍と診断された.核異型が存在し, さらに腫瘍の被膜外にも典型細胞を認めたため悪性腫瘍と診断された.術後6か月目に骨盤内と右鼠径部に再発腫瘍を認め初回手術から約9か月後に再手術を行った(再発腫瘍切除(小腸, 右睾丸合併切除)). ところが再手術後3か月目のCT検査にて再々発腫瘍(腹腔内に数か所)を認めた.すでに根治手術は不可能であった.初回手術から2年8か月目に永眠された. 続きを見る