close
1.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
堅田, 朋大 ; 若井, 俊文
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  129  pp.21-28,  2015-01.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/44017
概要: 【目的】Gemcitabine(以下GEM)の代謝経路において, リボヌクレオチド還元酵素の調節サブユニットであるRibonucleotide Reductase M1(以下RRM1)はGEMの作用機序に重要な働きを示すkey molecu larとされている. 本研究の目的は, 肝内胆管癌におけるRRM1発現を免疫組織化学にて検討し, GEM基盤の術前化学療法の効果とRRM1発現との関連を明らかにすることにある. 【対象と方法】1992年1月から2012年12月までに当科で根治切除が施行された肝内胆管癌43例を対象とした. 術前に高度局所進展のため根治切除が困難・不能と診断された4例に対して, GEM基盤の術前化学療法(GEM単剤2例, GEM+TS-1併用2例)を施行した. 術前化学療法の治療効果はRECISTガイドラインに準じて判定した. RRM1発現は免疫組織化学により評価され, 陽性または陰性に分類した. 【結果】RRM1発現陽性は43例中27例(63%)であった. GEM基盤の術前化学療法が施行された4例全例で重篤な有害事象の発生なく, 化学療法前に立案していた術式の遂行が可能であった. 術前化学療法を施行した4例中3例はRRM1発現陽性であり, 腫瘍縮小率は11%, 14%, 25%であり, 治療効果は安定(SD)と判定された. 残り1例はRRM1発現陰性で, 腫瘍縮小率は68%であり, 部分奏功(PR)と判定された. 【結論】GEM基盤の術前化学療法の効果はRRM1発現と関連していることが示唆される. 高度局所進展を伴う肝内胆管癌に対するGEM基盤の術前化学療法は安全に施行でき, かつ立案術式を遂行可能であるため, 十分に認容されるものである. 続きを見る
2.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
須藤, 翔 ; 若井, 俊文
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  128  pp.660-670,  2014-12.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/43998
概要: 【目的】酸化ストレス応答において重要な転写因子であるnuclear factor erythroid 2-related factor 2(Nrf2)は, NAD(P)H: quinone oxidoreductase-1(NQO1)を活性 化し, 細胞を酸化ストレスや発癌から防御している. 乳癌, 大腸癌, 肺癌, 肝細胞癌, 膵臓癌における変異NQO1発現に関する報告が散見されるが, 肝内胆管癌におけるNrf2およびNQO1発現と術後成績との関連は未解明である. 本研究の目的は, 肝内胆管癌におけるNrf2およびNQO1発現を検討し, これら転写因子の発現が予後に与える影響を明らかにすることである. 【対象と方法】1992年1月から2012年10月までに当科で根治切除が施行された肝内胆管癌43例を対象とし, Nrf2およびNQO1発現を免疫組織化学にて検討した. 非腫瘍性肝内胆管上皮細胞をコントロールとして, 腫瘍細胞のNrf2およびNQO1発現を発現陽性と発現欠失とに分類した. NQO1発現欠失例は, 同一標本内の非腫瘍性肝内胆管上皮細胞はNQO1発現陽性を示すが, 腫瘍細胞はNQO1発現が欠失した"NQO1発現陰性化"群, 非腫瘍性肝内胆管上皮細胞がNQO1遺伝子多型によりNQO1発現欠失を示す"Polymorphism"群の2群に分類した. 13種類の臨床病理学的因子に関して単変量(log-rank検定), 多変量解析(Cox比例ハザードモデル)を用いて生存解析を行った. 経過観察期間中央値は45か月であった. 【結果】Nrf2およびNQO1発現:Nrf2発現陽性は31例, 発現欠失は12例であり, NQO1発現陽性は28例, 発現欠失は15例であった. Nrf2発現とNQO1発現との間に有意な関連を認めた(P=0.012). NQO1発現様式と腫瘍の組織分化度に関しては, NQO1発現欠失を示す頻度は高分化型で10%(10例中1例), 中~低分化型では42%(33例中14例)であった. 術後成績:全症例の累積3年生存率は44%, 生存期間中央値は22か月であった. NQO1発現欠失群(累積3年生存率13%, 生存期間中央値18か月)は発現陽性群(累積3年生存率60%, 生存期間中央値66か月)と比較して術後成績は有意に不良であった(P=0.009). Nrf2発現と術後成績に有意な関連は認められなかった(P=0.172). 多変量解析では, リンパ節転移(P=0.003), 遠隔転移(P=0.007)およびNQO1発現欠失(P<0.001)が独立した予後不良因子であった. NQO1遺伝子多型およびNQO1発現陰性化:NQO1発現欠失15例中, Polymorphism群は10例, NQO1発現陰性化群は5例であり, 肝内胆管癌切除例において, NQO1遺伝子多型によりNQO1発現欠失を示す頻度は23%(43例中10例)であった. NQO1発現陰性化群が最も術後成績不良(累積3年生存率0%, 生存期間中央値18か月)であり, Polymorphism群は累積3年生存率30%, 生存期間中央値15か月, NQO1発現陽性群が最も術後成績良好(累積3年生存率60%, 生存期間中央値66か月)であった(P=0.029). 【結論】NQO1発現欠失は, 肝内胆管癌における独立した予後不良因子である. NQO1発現欠失例には, 遺伝子多型によりNQO1発現が欠失した症例と, NQO1発現陰性化症例が含まれ, NQO1発現陰性化群の予後はより不良である. 続きを見る
3.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
齋藤, 敬太
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  131  pp.33-41,  2017-01.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/47893
概要: 【緒言】胆道癌では外科切除が唯一の根治的治療であるが, その切除成績は未だ十分ではなく術後に高率に再発を認める. 再発胆道癌の予後は一般的に不良であり, 再発巣に対する外科切除の適応や意義は不明である. 本研究の目的は, 再発胆道癌に対する 外科切除の適応と意義を明らかにすることである. 【対象と方法】1992年10月から2013年12月までに当科で再発胆道癌に対して外科切除を実施した22例(肝外胆管癌7例, 胆嚢癌7例, 肝内胆管癌4例, 十二指腸乳頭部癌[以下, 乳頭部癌]4例)を対象とした. 原則的に, 再発巣が孤立性であり, 癌遺残のない外科切除(R0切除)が可能と判断された全身状態が良好な症例を手術適応とした. 全例において, 少なくとも術前または術後に化学療法が実施されていた. 再発巣外科切除後の経過観察期間の中央値は78か月であった. 【結果】術後合併症は22例中13例(59%)で発生したが, 術後在院死亡は認められなかった. R0切除は14例(64%)で可能であった. 全22例の再発巣外科切除後の5年, 10年生存率は各々32%, 22%, 生存期間中央値は21か月であった. 原発部位別に再発巣外科切除後の遠隔成績をみると, 乳頭部癌, 肝内胆管癌, 胆嚢癌の5年生存率は各々75%, 38%, 29%, 生存期間中央値は各々130か月, 37か月, 46か月であった. 肝外胆管癌に関しては, 5年経過観察例は存在せず, 生存期間中央値は15か月であった(P=0.176). 再発部位別に再発巣外科切除後の遠隔成績をみると, 肝10例, 局所6例, リンパ節5例の5年生存率は各々40%, 0%, 40%, 生存期間の中央値は15か月, 14か月, 46か月であった(P=0.273). 右副腎再発の1例(原発巣:乳頭部癌)は再発巣外科切除後14か月目に原病死した. リンパ節再発に対して再切除を実施した症例はいずれも胆嚢癌であった. 22例中4例(乳頭部癌肝再発2例, 肝内胆管癌肝再発1例, 胆嚢癌リンパ節再発1例)が再発巣外科切除後に5年以上生存した. 肝内胆管癌肝再発例を除く3例では初回切除後2年以降に再発巣外科切除が実施されていた. 【結論】胆道癌に対する再発巣外科切除は安全に実施が可能であり, 再発胆道癌に対する集学的治療の選択肢の一つになり得る. その中でも, 肝内胆管癌や十二指腸乳頭部癌の孤立性肝転移再発例, 胆嚢癌の孤立性リンパ節再発例, 原発巣外科切除から再発巣外科切除までの期間が2年以上である症例は, 再発巣外科切除の良い候補となる可能性がある. 続きを見る
4.

学位論文(リポジトリ)

学位
堅田, 朋大
出版情報: 2017-09-20.  新潟大学
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/48161
概要: 【目的】Gemcitabine(以下GEM)の代謝経路において,リボヌクレオチド還元酵素の調節サブユニットであるRibonucleotide Reductase M1(以下RRM1)はGEMの作用機序に重要な働きを示すkey molecul arとされている.本研究の目的は,肝内胆管癌におけるRRM1発現を免疫組織化学にて検討し,GEM基盤の術前化学療法の効果とRRM1発現との関連を明らかにすることにある.【対象と方法】1992年1月から2012年12月までに当科で根治切除が施行された肝内胆管癌43例を対象とした.術前に高度局所進展のため根治切除が困難・不能と診断された4例に対して,GEM基盤の術前化学療法(GEM単剤2例,GEM+TS-1併用2例)を施行した.術前化学療法の治療効果はRECISTガイドラインに準じて判定した.RRM1発現は免疫組織化学により評価され,陽性または陰性に分類した.【結果】RRM1発現陽性は43例中27例(63%)であった.GEM基盤の術前化学療法が施行された4例全例で重篤な有害事象の発生はなく,化学療法前に立案していた術式の遂行が可能であった.術前化学療法を施行した4例中3例はRRM1発現陽性であり,腫瘍縮小率は11%,14%,25%であり,治療効果は安定(SD)と判定された.残り1例はRRM1発現陰性で,腫瘍縮小率は68%であり,部分奏功(PR)と判定された.【結論】GEM基盤の術前化学療法の効果はRRM1発現と関連していることが示唆される.高度局所進展を伴う肝内胆管癌に対するGEM基盤の術前化学療法は安全に施行でき,かつ立案術式を遂行可能であるため,十分に認容されるものである.<br />学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4362号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第775号. 学位授与年月日: 平成29年9月20日<br />新潟医学会雑誌. 2015, 129(1), 21-28.<br />新大院博(医)甲第775号 続きを見る
5.

学位論文(リポジトリ)

学位
須藤, 翔
出版情報: 2017-09-20.  新潟大学
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/48157
概要: 【目的】酸化ストレス応答において重要な転写因子であるnuclear factor erythroid 2-related factor 2(Nrf2)は,NAD(P)H: quinone oxidoreductase-1(NQO1)を活性化 し,細胞を酸化ストレスや発癌から防御している.乳癌,大腸癌,肺癌,肝細胞癌,膵臓癌における変異NQO1発現に関する報告が散見されるが,肝内胆管癌におけるNrf2およびNQO1発現と術後成績との関連は未解明である.本研究の目的は,肝内胆管癌におけるNrf2およびNQO1発現を検討し,これら転写因子の発現が予後に与える影響を明らかにすることである.【対象と方法】1992年1月から2012年10月までに当科で根治切除が施行された肝内胆管癌43例を対象とし,Nrf2およびNQO1発現を免疫組織化学にて検討した.非腫瘍性肝内胆管上皮細胞をコントロールとして,腫瘍細胞のNrf2およびNQO1発現を発現陽性と発現欠失とに分類した.NQO1発現欠失例は,同一標本内の非腫瘍性肝内胆管上皮細胞はNQO1発現陽性を示すが,腫瘍細胞はNQO1発現が欠失した“NQO1発現陰性化”群,非腫瘍性肝内胆管上皮細胞がNQO1遺伝子多型によりNQO1発現欠失を示す“Polymorphism”群の2群に分類した.13種類の臨床病理学的因子に関して単変量(log-rank検定),多変量解析(Cox比例ハザードモデル)を用いて生存解析を行った.経過観察期間中央値は45か月であった.【結果】Nrf2およびNQO1発現:Nrf2発現陽性は31例,発現欠失は12例であり,NQO1発現陽性は28例,発現欠失は15例であった.Nrf2発現とNQO1発現との間に優位な関連を認めた(P=0.012).NQO1発現様式と腫瘍の組織分化度に関しては,NQO1発現欠失を示す頻度は高分化型で10%(10例中1例),中~低分化型では42%(33例中14例)であった.術後成績:全症例の累積3年生存率は44%,生存期間中央値は22か月であった.NQO1発現欠失群(累積3年生存率13%,生存期間中央値18か月)は発現陽性群(累積3年生存率60%,生存期間中央値66か月)と比較して術後成績は有意に不良であった(P=0.009).Nrf2発現と術後成績に有意な関連は認められなかった(P=0.172).多変量解析では,リンパ節転移(P=0.003),遠隔転移(P=0.007)およびNQO1発現欠失(P<0.001)が独立した予後不良因子であった.NQO1遺伝子多型およびNQO1発現陰性化:NQO1発現欠失15例中,Polymorphism群は10例,NQO1発現陰性化群は5例であり,肝内胆管癌切除例において,NQO1遺伝子多型によりNQO1発現欠失を示す頻度は23%(43例中10例)であった.NQO1発現陰性化群が最も術後成績不良(累積3年生存率0%,生存期間中央値18か月)であり,Polymorphism群は累積3年生存率30%,生存期間中央値15か月,NQO1発現陽性群が最も術後成績良好(累積3年生存率60%,生存期間中央値66か月)であった(P=0.029).【結論】NQO1発現欠失は,肝内胆管癌における独立した予後不良因子である.NQO1発現欠失例には,遺伝子多型によりNQO1発現が欠失した症例と,NQO1発現陰性化症例が含まれ,NQO1発現陰性化群の予後はより不良である.<br />学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4363号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第776号. 学位授与年月日: 平成29年9月20日<br />新潟医学会雑誌. 2014, 128(12), 660-670.<br />新大院博(医)甲第776号 続きを見る
6.

学位論文(リポジトリ)

学位
齋藤, 敬太
出版情報: 2018-03-23.  新潟大学
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/50443
概要: 【緒言】胆道癌では外科切除が唯一の根治的治療であるが, その切除成績は未だ十分ではなく術後に高率に再発を認める. 再発胆道癌の予後は一般的に不良であり, 再発巣に対する外科切除の適応や意義は不明である. 本研究の目的は, 再発胆道癌に対する 外科切除の適応と意義を明らかにすることである. 【対象と方法】1992年10月から2013年12月までに当科で再発胆道癌に対して外科切除を実施した22例(肝外胆管癌7例, 胆嚢癌7例, 肝内胆管癌4例, 十二指腸乳頭部癌[以下, 乳頭部癌]4例)を対象とした. 原則的に, 再発巣が孤立性であり, 癌遺残のない外科切除(R0切除)が可能と判断された全身状態が良好な症例を手術適応とした. 全例において, 少なくとも術前または術後に化学療法が実施されていた. 再発巣外科切除後の経過観察期間の中央値は78か月であった. 【結果】術後合併症は22例中13例(59%)で発生したが, 術後在院死亡は認められなかった. R0切除は14例(64%)で可能であった. 全22例の再発巣外科切除後の5年, 10年生存率は各々32%, 22%, 生存期間中央値は21か月であった. 原発部位別に再発巣外科切除後の遠隔成績をみると, 乳頭部癌, 肝内胆管癌, 胆嚢癌の5年生存率は各々75%, 38%, 29%, 生存期間中央値は各々130か月, 37か月, 46か月であった. 肝外胆管癌に関しては, 5年経過観察例は存在せず, 生存期間中央値は15か月であった(P=0.176). 再発部位別に再発巣外科切除後の遠隔成績をみると, 肝10例, 局所6例, リンパ節5例の5年生存率は各々40%, 0%, 40%, 生存期間の中央値は15か月, 14か月, 46か月であった(P=0.273). 右副腎再発の1例(原発巣:乳頭部癌)は再発巣外科切除後14か月目に原病死した. リンパ節再発に対して再切除を実施した症例はいずれも胆嚢癌であった. 22例中4例(乳頭部癌肝再発2例, 肝内胆管癌肝再発1例, 胆嚢癌リンパ節再発1例)が再発巣外科切除後に5年以上生存した. 肝内胆管癌肝再発例を除く3例では初回切除後2年以降に再発巣外科切除が実施されていた. 【結論】胆道癌に対する再発巣外科切除は安全に実施が可能であり, 再発胆道癌に対する集学的治療の選択肢の一つになり得る. その中でも, 肝内胆管癌や十二指腸乳頭部癌の孤立性肝転移再発例, 胆嚢癌の孤立性リンパ節再発例, 原発巣外科切除から再発巣外科切除までの期間が2年以上である症例は, 再発巣外科切除の良い候補となる可能性がある.<br />学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4413号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第812号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日<br />新潟医学会雑誌. 2017. 131(1), 33-41.<br />新大院博(医)甲第812号 続きを見る