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若杉, 嵩幸 ; 若井, 俊文 ; 坂田, 純 ; 井上, 真 ; 丸山, 智宏 ; 白井, 良夫 ; 畠山, 勝義 ; 味岡, 洋一
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  124  pp.639-643,  2010-11.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/28882
概要: 症例は74歳, 男性. 肝内結石・総胆管結石症に併存した肝内胆管癌の診断で根治切除目的に当科紹介された. 肝障害度C (血清 T.bil 値 1.8mg/dl, 血清 Alb 値 2.4g/dl, ICG15分停滞率41%) であったが, 本例は結石に起因した胆汁うっ滞による肝障害であり肝硬変は伴っていないと判断し, 胆道再建を伴う拡大肝左葉切除術を施行した. 術後肝不全は認めず退院となった. 本邦では, 術前ICG15分停滞率を基準として肝切除術式を決定しており, 本例のICG15分停滞率からは核出術が適切な肝切除術式と判断されるが, 本例のように肝硬変非併存で胆汁うっ滞が原因の肝障害の場合には, 必ずしもICG負荷試験値が肝予備能を正確に反映しているとは限らないことが示唆される. 非肝硬変症例における肝切除術式選択の際には, 病態を考慮した上で不良なICG負荷試験値を解釈し肝切除術式を決定する必要がある. 続きを見る
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皆川, 昌広 ; 黒崎, 功 ; 畠山, 勝義 ; 二瓶, 幸栄
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  124  pp.259-261,  2010-05.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/28723
概要: 近年, 肝・膵外科領域における内視鏡下手術件数が増加しつつある. 当科では, 2000年より腹腔鏡 (補助) 下肝切除術を導入し, さらに良性や低悪性度膵腫瘍に対しても腹腔鏡下膵切除を行っている. 今後, 安全性の向上とともに適応を拡大し, 内視鏡下肝胆膵手術を標準化しつつ, 腹腔鏡を用いた肝葉切除や膵頭十二指腸切除へと発展させていく必要があると思われた. 続きを見る
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大橋, 優智 ; 若井, 俊文 ; Pavel, Korita V. ; 坂田, 純 ; 白井, 良夫 ; 畠山, 勝義 ; 味岡, 洋一
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  123  pp.413-418,  2009-08.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/28478
概要: 【目的】 肝細胞癌に対する動注用アイエーコール^(R)を用いた術前肝動注化学療法が肝切除の周術期に与える影響および抗腫瘍効果を明らかにする. 【対象・方法】 動注用アイエーコール^(R)を用いた術前肝動注化学療法が施行された肝細胞癌症例16 例を対象とした. 肝動注化学療法前後および肝切除前までの血液生化学的検査値の推移を比較検討した. 抗癌剤効果判定規準 (RECISTガイドライン) に準じて抗腫瘍効果を判定した. 腫瘍の最大割面における腫瘍壊死率を組織学的に算出し, 標的病変の抗癌剤効果判定と比較検討した. 【結果】 肝動注化学療法から肝切除までの待機期間は, 30日から114日 (中央値53日) であった. 肝動注化学療法後に一過性の肝機能障害 (AST, ALTの上昇), 低Alb血症, 高ビリルビン血症を認めたが, 肝切除前には改善した. Creの上昇, 血小板数の減少は肝切除前まで認めたが, 肝予備能 (ICG K値) は比較的保たれており, 全例予定していた肝切除術式が実施可能であった. 術後合併症は, 3例 (創感染2例, 胆汁漏1例) に認めたが, 肝動注化学療法に関連した合併症は認めなかった. 肝切除前の標的病変の抗癌剤効果判定は, 部分奏効 (PR) が4例, 12例が安定 (SD) であり, 奏効率は25%であった. 組織学的腫瘍壊死率は0~100% (中央値81%) であった. 組織学的腫瘍壊死率100%が得られたのは3例であり, 腫瘍壊死率0%は3例であった. 組織学的腫瘍壊死率と化療前腫瘍径 (r =0.102 ; P =0.706) および動注用アイエーコール^(R)投与量 (r =0.160 ; P =0.555) との間に相関関係は認められなかった. RECIST判定と組織学的腫瘍壊死率との間に相関関係は認められなかった (r =0.394 ; P =0.131). 【結論】 肝細胞癌に対する動注用アイエ-コ-ル^(R)を用いた術前肝動注化学療法は, 肝切除の周術期に与える影響は少なく, 肝切除は安全に実施可能である. 抗腫瘍効果判定では, 組織学的腫瘍壊死効果は高いが, RECIST判定での奏効率は低く, RECIST判定は腫瘍壊死効果を過小評価する可能性がある. 続きを見る
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野上, 仁
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  127  pp.538-547,  2013-10.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/36140
概要: 【緒言】近年, 切除可能な大腸癌肝転移に対して腫瘍の生物学的評価や潜在的転移巣の治療, 切除範囲の縮小を目指した術前化学療法を行う機会が増えてきているが, 術前化学療法を施行した大腸癌肝転移における適切な肝切離マージンは解明されていない. 本研究の目的は, 術前化学療法施行例と未施行例から摘出された標本を用いて, 大腸癌肝転移に対する術前化学療法が肝内微小転移巣に与える効果を検討し, 術前化学療法施行例における適切な肝切離マージンを解明することである. 【材料と方法】2005年1月から2011年12月までに, 当科で肝切除が行われた大腸癌肝転移63例(術前化学療法施行21例, 未施行42例)を対象とし, 切除標本における肝内微小転移巣の頻度, 分布を算出した. 術前化学療法の治療効果判定は造影CT検査を用いてRECISTガイドラインに準じて行い, 組織学的効果判定は大腸癌取扱い規約に準じて行った. 肝内微小転移巣の定義は, 肉眼的肝転移巣から非癌肝組織により隔てられた組織学的病巣とし, 肉眼的肝転移巣から各肝内微小転移巣までの組織学的距離および肉眼的肝転移巣から1cm未満の近位領域における肝内微小転移巣の密度(微小転移個数/mm^2)を算出した. 【結果】術前化学療法施行21例中13例が部分奏効を示し, 奏効率は62%であった. 術前化学療法のRECIST評価は組織学的効果判定と有意に関連していた(P=0.048). 肝内微小転移巣を63例中39例(62%)に計260病巣認めた. 肝内微小転移巣の頻度は, 術前化学療法未施行42例中34例(81%)に認めたのに対し, 術前化学療法施行例では21例中5例(24%)と有意に低かった(P<0.001). 肉眼的肝転移巣から各肝内微小転移巣までの距離は, 術前化学療法未施行例で中央値2.25mm(範囲:0.1-17mm), 施行例で中央値1.5mm(範囲:0.2-8mm)であった(P=0.313). 肉眼的肝転移巣から1cm未満の近位領域における肝内微小転移巣の密度は, 未施行例で75.9×10-<-4>個/mm^2, 施行例で87.7×10^<-4>個/mm^2であった(P=0.526). 【結語】術前化学療法施行により肝内微小転移巣の頻度は減少するが, 分布(距離・密度)には影響を与えない. 現在, 大腸癌肝転移において推奨されている肝切離マージン1cm確保は, 術前化学療法を施行した症例においても推奨される. 続きを見る
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井上, 真 ; 若井, 俊文 ; 白井, 良夫 ; 畠山, 勝義 ; 藤原, 貴 ; 馬場, 洋
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  126  pp.432-436,  2012-08.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/35333
概要: 肝硬変を背景とする肝細胞癌に対する肝切除の際, 肝硬変に伴う血小板減少症が著明な症例では硬膜外麻酔の施行が困難である. 末梢神経ブロックである腹直筋鞘ブロック, 腹横筋膜面ブロックは, 血腫による神経損傷のリスクが低く, 出血傾向のある症例 に対する周術期の麻酔・疼痛管理の分野でその有用性が注目されている. 今回, 我々は血小板減少症を伴う肝硬変併存肝細胞癌3症例に対して肝切除を施行する際に, 持続末梢神経ブロック(持続腹直筋鞘ブロックあるいは持続腹横筋膜面ブロック)を用い, 良好な術後疼痛管理を行うことが可能であった. 血小板減少症を伴う肝切除症例に対する持続末梢神経ブロックは, 術後疼痛管理に有用である. 続きを見る
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相馬, 大輝
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  131  pp.491-500,  2017-08.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/49654
概要: 【緒言】近年の大腸癌に対する化学療法の進歩を背景として大腸癌肝転移に対して術前化学療法を実施する機会が増えつつあり,大腸癌肝転移に対する術前化学療法の治療効果を予測することは臨床上,重要な課題となっている.抗酸化ストレス蛋白であるNAD ( P) H : quinone oxidoreductase-1 (NQO1)は種々の癌腫で化学療法に対する感受性との関連が示唆されている.本研究では,NQO1発現が大腸癌肝転移に対する術前化学療法の治療効果予測因子となり得るか否かを評価する.【対象と方法】当科で術前化学療法実施後に初回肝切除が施行された大腸癌肝転移23例を対象とした.術前化学療法の治療効果は,肝切除前にRECIST(version 1.1)で判定するとともに,切除標本で大腸癌取扱い規約第8版に従って組織学的に判定した.NQO1発現の有無は,切除標本でNQO1モノクローナル抗体を用いた免疫組織化学を行うことで同定した.肝転移巣の腫瘍細胞がNQO1発現陰性を示す場合,同一標本内の非腫瘍性大型胆管上皮細胞もNQO1発現陰性であればNQO1遺伝子多型ありと判定した.【結果】23例における術前化学療法のRECISTによる治療効果判定は,PR(Partial Response: 部分奏効)が14例,SD(Stable Disease: 安定)が8例,PD(Progressive Disease: 進行)が1例であり,奏効率は61%であった.術前化学療法の組織学的な治療効果判定は,Grade 0が3例,Grade 1が9例,Grade 2が11例であった.23症例中15例(65%)が肉眼的肝転移巣におけるNQO1発現陽性であり,8例(35%)がNQO1発現陰性であった.NQO1発現陰性の8例中,非腫瘍性大型胆管上皮細胞がNQO1発現陰性を示すNQO1遺伝子多型が6例で認められた.肉眼的肝転移巣のNQO1発現の有無と術前化学療法のRECISTおよび組織学的治療効果判定との間に明らかな関連を認めなかった(各々,P=0.400,P=0.193).一方,NQO1遺伝子多型の有無と術前化学療法のRECISTによる治療効果判定との関連を検討すると,NQO1遺伝子多型を認めた6例全例がPRを示したのに対し,NQO1遺伝子多型を認めなかった17例では8例(47%)がPRであり,NQO1遺伝子多型によりNQO1発現陰性の症例では有意に奏効率が高かった(P=0.048).【結語】NQO1が遺伝子多型により発現していない大腸癌肝転移症例は化学療法に対する感受性が高く,NQO1遺伝子多型は大腸癌肝転移に対する術前化学療法の治療効果を予測する有望なバイオマーカーの候補の1つである. 続きを見る
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島田, 哲也
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  130  pp.512-522,  2016-09.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/45619
概要: 【緒言】近年の大腸癌に対する化学療法の進歩に伴い,切除可能な大腸癌肝転移に対しても術前化学療法を行う機会が増えつつある.本研究の目的は,大腸癌肝転移に対する術前化学療法が肝内微小転移巣と肝切除後の再発・生存に及ぼす影響を明らかにすることであ る.【対象と方法】2005年1月から2013年12月までの間に当科で初回肝切除が施行された大腸癌肝転移74例(術前化学療法施行24例,未施行50例)を対象とした.術前化学療法の治療効果は造影CT検査を用いてRECISTガイドラインに準じて判定した. 肝内微小転移巣は肉眼的肝転移巣から非癌肝組織により隔てられた組織学的病巣と定義した.切除標本において,HE染色に加えて免疫組織化学検査(D2-40モノクローナル抗体,CD34モノクローナル抗体)を行って肝内微小転移巣を同定した.肝切除後の経過観察期間の中央値は52か月であった.【結果】肝内微小転移巣を全74例中45例(61%)に合計278病巣認めた.術前化学療法施行例では,未施行例と比較して,原発巣の病期が進行した症例の占める割合が高く(P=0.001),同時性肝転移(P<0.001),多発性肝転移(P=0.006)を高頻度に認めた.術前化学療法が施行された24例中15例が部分奏効(奏効率は63%)を示した.術前化学療法未施行例では肝内微小転移巣を50例中38例(76%)に認めたのに対し,施行例では24例中7例(29%)に認めたのみであった(P<0.001). 術前化学療法施行例,未施行例の肝切除後の5年無再発生存率は各々56%, 59%, 5年疾患特異的生存率は各々76%, 78%であり,いずれも両群間で明らかな差を認めなかった(各々P=0.986, P=0.822).一方, 肝内微小転位陽性45例,陰性29例の5年無再発生存率は各々48%, 74%であり,陽性例は陰性例と比較して無再発生存率が低く(P=0.036), 肝内微小転移は再発の独立した危険因子であった(ハザード比, 2.635,95%信頼区間, 1.155-6.011,P=0.021).【結語】大腸癌肝転移に対する術前化学療法施行例は,末施行例と比較して生物学的悪性度が高い特徴を有する肺癌が多かったにもかかわらず,肝内微小転移の頻度が少なく,両者の間で肝切除後の無再発生存率,疾患特異的生存率はともに明らかな差を認めなかった. したがって,大腸癌肝転移に対する術前化学療法は肝内微小転移巣を減少させることで肝切除後の無再発生存、疾患特異的生存の改善に寄与している可能性がある. 続きを見る