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1.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
松澤, 岳晃
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  122  pp.619-625,  2008-11.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/28137
概要: 大腸粘膜内癌にはリンパ節転移例の報告はなく, 大腸粘膜内癌にはリンパ節転移能がないと考えられてきた. しかし従来の大腸粘膜内癌リンパ節転移に関する検索は, HE染色標本のみを元に行われたものであり, 免疫組織学的に同定されるりンパ節微小転移 (isolated tumor cell: ITC)の有無については検討されていない. 本研究は, リンパ節郭清を伴う外科切除が施行され, 病変の全割切片による組織学的検索が行われた大腸粘膜内癌36例を対象に, 上皮性サイトケラチンCAM5.2免疫染色によりリンパ節ITCを検索し, ITCと原発巣粘膜内癌の組織学的因子との関連を検討した. 原発巣大腸粘膜内癌は全例が分化型(高分化・中分化)腺癌で, リンパ管侵襲・静脈侵襲, 蔟出のリンパ節転移リスク因子は陰性であり, 対象とした557個のリンパ節全てにITCは認められなかった. 以上のことから, 大腸粘膜内癌では免疫組織学的に同定されるITCすら存在せず, リンパ節転移能のない癌である可能性が高いことが再確認された. 大腸粘膜内癌では, 原発巣にリンパ節転移形成過程の第一段階である蔟出形成がなく, そのことがリンパ節転移が生じない主要因として推定された. 続きを見る
2.

論文(リポジトリ)

論文(リポジトリ)
橋本, 哲
出版情報: 新潟医学会雑誌 — 新潟医学会雑誌.  120  pp.569-576,  2006-10.  新潟医学会
本文リンク: http://hdl.handle.net/10191/19934
概要: 大腸sm癌発育先進部の蔟出(sprouting/budding)のリンパ節転移危険因子としての意義については,研究者によって意見の一致がえられていない.このことは,通常のHE染色標本のみでは,蔟出,脈管侵襲,リンパ節転移の同定精度が必ずしも 高くないことに起因している.本研究は,リンパ節郭清がなされた外科切除大腸sm癌88例を対象として,上皮性サイトケラチンCAM5.2免疫染色で蔟出を,同免疫染色およびHE標本でリンパ節転移を,Victoria blue弾性線維染色で静脈侵襲を,リンパ管内皮細胞マーカーD2-40免疫染色でリンパ管侵襲を,検索し,病変ごとの蔟出平均個数・最大個数と,脈管侵襲,リンパ節転移との相関を検討した.リンパ管侵襲陽性例とリンパ節転移陽性例は,それぞれの陰性例に比べ,蔟出平均個数,最大個数ともに有意に高値であった.また,最大個数として11個以上の蔟出を認める症例はそれ未満に比べ,リンパ節転移陽性率が有意に高かった.これらのことから,大腸sm癌の蔟出は,リンパ節転移危険因子としての意義があり,EMR大腸sm癌の追加腸切除考慮条件のひとつになりうる可能性が示唆された. 続きを見る